バイオエタノールに関してMediaSaborに記事がありました
食糧自給率の低い日本に迫る危機─矛盾だらけのバイオエタノール。レスターブラウン(地球白書などを手がけて来た方です。講演料300万円ですー余談ー)もこれに対して強い懸念を示しているとのこと。輸入バイオエタノールの利用には問題があるという指摘は納得できるが、国産バイオエタノールがはたして良いのかについては疑問が残る。以前の
割り箸からバイオ燃料にも書いたように、土壌のこともきちんと考えなければいけない。
エネルギー使用量を削減しないでエネルギーをバイオエタノールなどから算出するのであれば、バイオマスを生産する必要が有り、MediaSaborの記事にもあるように熱帯雨林などの伐採とそこにより光合成効率の高い植物とサトウキビのようにバイオエタノールの原料として有効な糖を蓄積するような植物の育成が必要となる。サトウキビ以外の植物や、植物残さを利用してバイオエネルギーを作り出そうとする技術開発が進んでいるが、それが成功したとしても同じこと。地下の化石資源を使い過ぎ、問題が顕在化してから今度はその対策として、地上の資源を使おうとしている。エネルギーを作り出すために何を失ってしまうのか?生態系の重要さ、人間の重要さを認識していたのが嘘のようです。
なぜ地球温暖化が問題になったのでしょう。暑いから?気象変動の大きさもあるけれど、地球という大きな系のみならず、様々なレベルでの生態系に対しての影響の大きさがクローズアップされてきたからだと思っていました。地球も人間も微生物もスケールは違っても連続した中で存在しているのであって、産業革命以後の急速な二酸化炭素濃度上昇、平均気温上昇が生態系の適応能力を超えてしまう可能性が心配されているはずです。
自国産、地場産のバイオエタノールは地球に優しいのか?二酸化炭素のバランスだけを考えれば、使う分(使った分になりそうですが)を植物に光合成で吸収させれば良いのでしょう。でもそれだけです。失うものも多いということを忘れてはいけないはずです。バイオエタノールを信奉する人たちはどんな未来を描いているのでしょう?サトウキビ、トウモロコシ、ビートだらけの場所に地球を変えたいのでしょうか?農学系の自分から言わせてもらえば、無駄に太陽光を浴びているビルや車や道路でもっと太陽光発電とかできないのですか?バイオエタノール生産用の畑をバイオエタノール車で走る風景もいいかもしれないですが、太陽光発電を行なっている道路の上を電気自動車で走る方が良さげなんですけど。いくらバイオエタノールが普及した所で、エネルギー使用量が減らない限りは増えてしまった二酸化炭素は減らないんですけどね。