明治乳業がそういうブランドを出すそうです。全てオーガニックに育てられて、作られたミルクだそうです。物売りとしてはいいアイデアかもしれません。山の手のラルス(札幌では他のスーパーよりも高級な品物がそろっているので有名)では売れ筋かもしれません。さて、農学部の研究者としてはどう考えるべきでしょう。色々スタンスはあると思います。物質の循環、環境へのインパクト、健康、生産効率、土地利用などなど。有機農業だったら何でも良いのかというとそれは??です。化学肥料を利用した時と同じ生産性を維持するためには全体としての養分量としてはむしろより多い量を投入しなければならないことがしられています(何しろすぐ効くのではなく、ゆっくり肥料分としての効果があるのがポイントの一つです)。投入された養分はそれが化学肥料由来であろうと有機物由来であろうと蓄積されます。栽培されている植物がそれを単純にきれいに吸収するかというとそうは簡単にはいかないです。簡単にいえば幼植物の時には吸収する量は少ないですし、年を取ってからも吸収出来なくなります。余った養分は周辺流域に流れ出し、結局は生態系に影響を与えてします。
では健康にいいのか?成分(今我々が見いだせている成分が全てだとはいいませんが)にどのような違いがあるのでしょうか?それをきちんと評価しているのでしょうか?北海道は北海道ブランドとして農水産物をブランド化して販売に力を入れています。実際に内地に行くとよく北海道物産展を見かけますから人気はあるようです。でも何が違うのでしょうか?本当に北海道ブランドが「良い」のであれば、何が「良い」のかを明確にする努力が必要だと思います。それを武器に出来れば内地や海外の消費者へ強くアピールできるし、さらには北海道ではみんな普通に食べているんだよと北海道自身もアピールできます。
では誰がそんなことを調べるのでしょうか?大学でもないし、道の試験場や、国の試験場も無理でしょう。ということで色々考えています。