もう天北農試とは言わないのです。今は上川農業試験場天北支場です。人員削減も進んでいてとても残念です。今回は三名で訪問しました。一名はバイオマスに関連した共同研究で、自分ともう一人はこの地域にある変わった土壌のサンプリングです。
この地域は酪農が主要な農業なので、牧草の研究がずっと行われてきたのですが、飼料の高騰で最近は飼料に利用可能な作物の導入が研究されているそうです。それはそれで興味深いのですが、牧草の研究もおもしろいですね。肥料(堆肥)を散布すると雑草の生育が抑制することも可能だとか(肥料に応答性の高い牧草を利用すると、牧草が大きくなって雑草が陰になって大きくなりにくいという仕組みで、当たり前のような話なのですが実際にきれいに差が出ている圃場はおもしろいです)。
北海道が描いている北海道の将来の農業の姿はどんななのでしょう。今、そしてこれからもっと農、食糧の重要性がクローズアップされる時代を迎えつつある中で本当に北海道にとって大切なのは何なのかを思うと天北支場という名前、その先に待ち構えている状況は悲しくてなりません。
土は砂丘ポドゾルという養分、有機物が溶脱した土壌をもらいにきました。実験に使いたいと思います。この土壌は昔はこの一帯に広く分布したそうなのですが、現在はわずかに残されているということで(保存のために土地を購入したのは北農会だそうです。看板がありました)、日本のレッドソイル(絶滅危惧土壌)に指定されているそうです。