エクスカーションで訪問する場所はSaint Laurent Le Minerという過去において亜鉛、鉛、カドミウム、タリウムを産出していた鉱山の跡地です。モンペリエから50kmほどの場所にあります。街をはなれてしばらくすると周りは荒れ地のような状態です。石灰岩が地面に露出し、山にも木が少ないです。自然植生なのかと同行した現地のフランス人に確認したところ、第一次世界大戦前までは林業、放牧が盛んで徹底的に利用されており、その後放棄されて自然植生が回復してきているという事でした。ただし、火災がしょっちゅう怒るのでということでした。ナラの仲間などが多いそうです。樹木は全体に樹高が低く、灌木や下草もまばらでずいぶん明るい印象を受けました。ブラジルのセラドのような感じです。
木材が敷き詰められた鉄橋(ガタガタして、なかなかスリルがありました)を渡りしばらく行くと、亜鉛が161mg/gSoil、鉛が93 mg/gSoil、カドミウムが1.4 mg/gSoilというとんでもない高濃度の重金属が含まれたまま残された砕石跡地がありました。ここはしばらく前に一帯の土地を購入した人が管理しています。最初は有機農業を行うために購入したそうなのですが、さすがに有機農業以前の前に、汚染がひどい場所では植物は育たないし、その他の場所でも有害元素の汚染の問題で無理なようです。生計は超集積性植物で有名なグンバイナズナなどの種を販売しているそうです。
植生の回復試験(有機物の投入やいくつかの植物種の導入)、ファイトレメディエーションの可能性の試験を行っているということでした。
GMOによるファイトレメディエーションの可能性試験を受託するとかはダメンでしょうかね。
植物おもしろいのが色々ありました。
グンバイナズナの写真です。シロイヌナズナそっくりです。アブラナ科です。
その他にも北アフリカから入ってきたのではないかというマメ科の植物やイネ科の植物などもありました。