イノシンという化合物があります。
核酸の一つでRNAを構成していたり、肉のうまみ成分としても知られています。
サプリメントとしてもスポーツ選手に利用されているようです。
実はこのイノシン、植物に対しても何らかの生長促進作用などがありそうだということが言われていました。
ただ、単なるぶっかけ試験では微生物による分解や代謝もおこるため、イノシン自体が最初の化合物として植物に作用しているのかは明らかではありませんでした。
前職時代から面倒を見ていた学生がこの試験を担当し、無菌的に栽培した植物(イネ、トマト)を用いて、イノシンの添加効果を確認していました。その結果からは根毛の著しい発達促進効果が認められました。
次の疑問としてはではこのイノシンは自然界でどのように機能する可能性があるのか?土壌中での現象として存在しうるのか?植物の体内ではどのようなメカニズムが働いているのか?そういう所にまで踏み込んでもらいたかったのですが、本人は卒業してしまいました。これに関してはもう少し仕事が進んでいますので、いずれ続報としてその代謝応答機構をまとめたいと考えています。
さて、今日はこれからサイエンスカフェの準備です。
うまく行くと良いのですが。不安と期待が入り交じっています。